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イタリアワインのラベルをとことん読む

Hitomi
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ワインの宝庫としても名高いイタリアは、産地や種類が豊富でバラエティに富んだワインがそろっていることでよく知られています。また、芸術の国らしく、ボトルやラベルのデザインがオシャレで個性的なものが多く取りそろえられていることでも人気が高く、愛好家のみならずワインビギナーにまで愛される魅力たっぷりです。
中でも、真っ先に名前があがるのがバローロ。その格調高い味わい深さは、世界の赤ワインの中でも屈指の実力を誇ります。

そんなイタリアワインの代表格バローロ、味わいやデザインを楽しむのももちろんオススメですが、ラベルに記された内容がひと目でわかるようになったら、バローロの奥深さや魅力にはまってしまうでしょう。
そこで今回は、イタリアワインで最も有名なバローロを参考に、イタリアワインのラベルの読み方についてご紹介します。覚えておくだけで他種類にも応用できるので、ぜひチェックしてみてください。

■参考:イタリアワインのラベルの読み方


イタリアワインの代表格バローロのラベルの特徴

産地や種類が多いことで知られるイタリアワインは、「このワインの産地はどこで、どういう味なのか」「このワインはどこの誰がつくったものか」などを示すために、1本1本にすべて個性豊かなラベルが貼られています。つまり、ワインラベルを見ればそのワインの歴史がひと目でわかるようになっています。

そのイタリアワインの中でも王様と呼ばれるバローロは、名ワインの産地として名高いピエモンテ州から生まれたワインで、力強く、濃厚かつ芳醇で豊かな味わいが特徴として知られています。そんな味わいにあわせた優雅なラベルが楽しめることもバローロの魅力ですが、特に有名なバローロ5大産地をはじめ、さまざまなワイン農家が手がけているとあって、ラベルデザインも個性豊かです。このように、バローロは「ひとつのラベルを写真のように覚えておけばOK」というわけにはいかないようです。

ただし、ラベルにはあるルールが設けられており、一定の項目によって成り立っていることが理解できると、意外なほど効果的にバローロのラベルを読むことができるようになります。主に「表記が義務付けられている項目」と「表記を許されている項目」が記されていることも覚えておくとよいでしょう。

一見すると、方程式のように難解にうつるラベルですが、まずは必要項目を覚えていくことがポイントです。他種類のイタリアワインにもあてはまるので、パターン化しながらコツを覚えていくと、バローロのみならず、イタリアワインのラベルに何が記されているかが理解でき、スムーズに頭に入っていくようになります。


生産者名

イタリアワインの代表格バローロのラベルに記されている項目の中でも、最初に覚えておきたいのが「生産者名」。そのバローロは誰がつくったものなのかが明確に記載されています。また、生産者名の下には、ワインの瓶詰会社やその会社の所在地が一緒に記されていることが多いのも特徴です。あわせて覚えておくとよいでしょう。


イタリアワインの生産者として、間違いなくトップクラスの地位を不動ものとしているガヤ(Gaja)


ヴィンテージ

ヴィンテージ」は、バローロをはじめとしたイタリアワインのみならず、ワインを語る上でなくてはならない重要な項目、ぶどうの収穫年です。ワイン好きかどうかを問わず、誰もがワインのラベルを目にしたときにもっとも注目し、ワインを楽しむ酒席などでも会話にのぼる項目といえます。ぶどうの収穫年をあらわすバローロのラベルの印字は、いずれも洗練されたタイポグラフィを用いたものが多いことも魅力なので、ぜひ注目してみてください。


格付け

知っておくとワイン通としてあげられるのが「格付け」です。イタリアワインの格付けは、「DOCG」「DOC」「IGT」「VdT」の4つから成り立っています。

「DOCG」はDenominazione di Origine Controllata e Garantitaの略で「統制保証付原産地呼称ワイン」、「DOC」はDenominazione Origine Controllataの略で「統制原産地呼称ワイン」、「IGT」はIndicazione Geografica Tipicaの略で「地域特性表示ワイン」、「VdT」はVino da Tavolaの略で「テーブルワイン」をあらわしているのが「格付け」です。

加えて、注記として「Riserva」「Superiore」「Classico」「Novello」が記載されていることもあります。「Riserva」は、規定のアルコール度数、熟成期間などを満たしたワインを示すもので、バローロをはじめとしたイタリアワインはもちろん、スペインワインにも使用されています。「Superiore」は、規定のアルコール度数を超えたワインをあらわすもので、1%でも超えていたらこの項目にあてはまることがポイントです。「Classico」は、古くからそのワインを生産している特定の地域でつくられたワインのみに記載が許された項目です。「Novello」は、11月6日に解禁されるイタリアの新酒をさしています。


地域(リージョン)

生産者名やヴィンテージと同様に重要として位置づけられているのが、産地をあらわす項目の「地域」です。
※ちなみにバローロはイタリア北部のピエモンテ州のバローロ村とその周辺のいくつかの村で生産されるワインの事を指します。

イタリアワインはイタリアの多くの地域でつくられていること。イタリアの国土は、長靴にたとえられることでもおなじみの、南北に細長く広がっていることが特徴で、イタリア北部はアルプス山脈と密接なため、涼しい気候をもち、反対にイタリア南部は地中海に面しているため、日差しをいっぱいに浴びる温暖な気候をもつというように、地域ごとで環境が大きく異なることがイタリア国土ならではの個性です。

この国土の特徴は、各地域でつくられるワインの味わいにも影響し、イタリアワインの豊富さにつながっています。こうしたバラエティの豊かさは、イタリアワインの個性でもあると同時に、自分の好みの味と出会うためには「地域」をよく知る必要があるともいえるでしょう。


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CONTIENE SOLFITI

ラベルに「CONTIENE SOLFITI」の表記が含まれていた場合、「亜硫酸塩を含む」ワインであることをあらわしています。
亜硫酸塩の作用には、1つ目に、バクテリアや酢酸菌・灰色カビ菌・産膜酵母・ブレタノマイセスなどの酵母といった微生物の繁殖の抑制があります。微生物が発生すると、ワインの味や香りによくない影響を与えることがあるからです。

2つ目が、ワインの酸化を防ぐことです。ワインは非常にデリケートなお酒で、そのまま放置してしまうと、じっくりと時間をかけて醸造することで完成した味や風味のバランスを簡単に失ってしまう特徴をもっています。このため、適度の亜硫酸塩を含ませることで、ワインの味や風味を損ねる酸化を防いでいるのです。


品格あるオシャレなラベルを読み解こう

スタイリッシュなデザインから、ポップで愛らしいものまで、幅広いラベルデザインが楽しめるイタリアワイン、そしてバローロ。そんなラベルに記載されたひとつひとつの表記を知ることで、さらに魅力と出会えるはずです。ぜひその奥深さを楽しんでください。



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