【VinexpoTokyo2016】2013年世界最優秀ソムリエ　パオロ・バッソ氏によるスイスワインマスタークラスレポート

: 河上純二 a.k.a JJ

Vinexpo Tokyo 2016が11月15日～16日の2日間に渡りザ・プリンス・パークタワー東京にて開催された。
Ministry of Wine編集部ではVinexpoへの訪問レポートを数回にわたってお届けします。

第1回目は、2013年最優秀ソムリエのパオロ・バッソ氏によるスイスワインマスタークラスの模様をレポート。

2013年世界最優秀ソムリエ　パオロ・バッソ氏の登場

パオロ・バッソ氏はスイス出身。
ヴィンテージやレアなワインに造詣が深く、数々のトップレストランでのソムリエ経験を経て2010年にはヨーロッパソムリエチャンピオンに輝く。
2013年3月29日、18年ぶりに日本で開催された世界最高峰のワインイベント「第14回A.S.I世界最優秀ソムリエコンクール」で優勝した。

現在はワインコンサルタントや様々なワイン評価委員会の委員として活動を行う傍ら、スイス南部、ティチーノ州・ヴァカーロのレストラン「コンカ・ベッラ」でワインディレクターとしてワインの仕入れやリスト作成に携わっている。

スイスワインの魅力は豊かな気候風土

スイスのテロワールや気候風土についての説明が行われた。
スイスはフランス語圏、ドイツ語圏、イタリア語圏の３つに分類することができ、ブドウやワイン生産のほとんどがフランス語圏となっているとのこと。

またスイスでは、伝統的に白ブドウであるシャスラの栽培が多くを占めていたが、近年のマーケットの変化に合わせてサバニャンブランの栽培が増えたということ、そして白ワイン醸造から赤ワイン醸造へシフトするワイナリーが近年増えているとのことだった。

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パオロバッソ氏のテイスティングに釘付け

パオロバッソ氏のテイスティングに参加者全員が釘つけとなった。
シンプルなコメントでありながら的確に、それぞれのワインの個性や特徴を説明した。特に印象的だったのは、口に含んだ時の「余韻」についての捉え方だった。

パオロバッソ氏は飲んだ後の余韻を、「３つのパレット」（３段階の分類）に分けてそれぞれコメントした。
ファーストパレット（第１段階）は最初は飲んだすぐに来る味わいについて、ミドルパレッット（第２段階）は飲んで３秒〜７秒の間に感じられるもの、ラストパレット（３段階目はそれ以降に感じられる余韻について。
それに加えて、余韻そのものの長さ（時間軸）と奥行きについても語り、３次元的な映像が頭にイメージできるようなテイスティングコメントが非常に印象的だった。

どういったものがクラシカルなスタイルで、どういったものがモダンなスタイルなのか？を理解する上で非常に重要だと語った。