気品があり、優雅なイメージのあるワインは、多くの芸術家にもインスピレーションを与えてきました。
ここではワインを愛した、フランス、アメリカ、ドイツの世界的文豪のエピソードと、彼らが愛したワインについてご紹介します。
ワインのもつ豊かな歴史を感じていただけたら幸いです。
☆ユーゴーの名言!「神は水をつくったが・・・」
まずは、ワインの本場、フランスの文豪に登場してもらいましょう。
詩人でもあり、小説家でもあったヴィクトル・ユーゴーです。数多くの傑作を世界文学史に残した天才ですが、なんといっても代表作は『レ・ミゼラブル』。
同作は小説としての人気はもちろん、映画化や舞台化もされ、発表から1世紀半が経過した今でも世界中で愛されています。
そんなユーゴーは大のワイン好きで、「神は水をつくったが、人はワインをつくった」という名言を残しています。
彼のお気に入りの一つだったのがルクセンブルクワインです。
上質なぶどうから作られる高品質のワインです。彼の熱の入れようは相当なものだったらしく、ルクセンブルク滞在中には、ルクセンブルクワインの銘柄、シャトー・ドゥ・シェンゲンのラベルのイラストを手がけたほど。
文学の才能だけでなく、絵画の才能まで引き出してしまうなんて、ルクセンブルクワイン、おそるべしですね。
飲み頃のルクセンブルグワインはこちら↓
☆孫にワインの名前をつけたヘミングウェイ
続いてのワインを愛した文豪は、アーネスト・ヘミングウェイ。
『老人と海』、『誰がために鐘は鳴る』といった傑作を数多く発表し、1954年にはノーベル賞まで受賞したアメリカ出身の世界的文豪です。
お酒ならなんでもこよなく愛したヘミングウェイですが、中でもワイン好きは群を抜いており、「ワインは私たちが手に入れることのできる限りのものの中で、もっとも感覚的な喜びを与えてくれるものである」とまで発言していますから相当なものです。
ヘミングウェイがお気に入りだったのはシャトー・マルゴー。フランスのメドック地方で作られるこのワインは、数あるフランスワインの中でも特に麗しい香りと味があると評価されています。
ヘミングウェイはシャトー・マルゴーを愛するがあまり、孫娘に「マーゴー(マルゴーの英語読み)」と名づけてしまいました。
そして、その名のとおり美しく育ったマーゴ・ヘミングウェイは、映画女優にまでなったのでした。
飲み頃のシャトー・マルゴーはこちら↓
スポンサードリンク
☆オリジナルワインまでつくってしまったゲーテ
ワインについての名言を残した文豪はほかにもいます。
『ファウスト』などの作品が後世にまで読み継がれているドイツの文豪、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテもワインへの愛を数々の言葉で表現しました。
「ワインのない食事は太陽の出ない一日」とまで言ってしまうのですから、よほどの愛好家だったのだったのでしょう。
また、「つまらないワインを飲むには、 人生はあまりにも短すぎる」という言葉からはそのこだわりの強さが見てとれますね。
もっとも強烈なのは「それを知らない者はむくろの如し」という言葉。「それ」とはもちろんワインのことで、「むくろ」とは死体のこと。
ワインを知らない人は死体同然なんて、ワインへの過激な愛情が伝わってきます。
ゲーテはワインを飲んで楽しむだけでなく、ワインの解説書に寄稿するなど、その普及にも熱心でした。
スポンサーの力を借りて、「ゲーテ・ワイン」という銘柄のワインまで作ってしまったほどです。
今でも、ワイン好きの有名人が、ワイナリーや酒造メーカーとコラボレートしてオリジナルワインを作ることがありますが、ゲーテはその先駆けだったといえるでしょう。
アナタへの関連記事