日本ワインを代表する品種といえば「甲州」。
そんな甲州ワインをこれ以上になく美味しく、そして粋な心意気で楽しむ「Roppo甲州ワインタンブラー」を手がける
沼田実さんにお話を伺ってきました。
甲州ワインの持つ魅力
甲州ワインは和食に合う世界に類を見ないワインです。
とはいえ、「和食とワイン」という組み合わせが日本で浸透してきたいとは、まだまだ言い難い状況です。
そこで、昔から和食中心の食生活の中でも、自然にワインを飲んできた山梨県の人たちの食文化に以前から注目していました。
実は山梨県ではワインを湯呑み茶碗で飲む文化があります。
日本で最も早い時期にワイン造りを行っていた地域で、ワインという飲み物が以前からそこまで特別なものでは無かったからだと考えています。
地元の方々は甲州ワインを飲み続けていますし、湯呑み茶碗で飲む甲州ワインが美味しいと感じたからこそ、湯呑み茶碗には甲州ワインをより一層美味しくできる秘密があると感じたんです。
あともう一つ興味深いのが、実は山梨県一人当たりの年間のお寿司屋さんの店舗数が全国1位(2014年調べ)なんです。
海が無い山梨県は新鮮な生魚に対して憧れが強く、その生魚をより美味しく食べるために「和食に合うワイン」を本能的に求めて造り続けたのかもしれませんね。
つまり、和食とワインという食文化が根付いている背景には、食卓にガラス製のワイングラスではなく、
「和食と甲州ワイン、湯呑み茶碗」という“風景”があったからだ、と。
そこで私は、甲州ワインが自然にある風景を日本全体で根付かせるための“ワインを飲むための器”が必要であると思い、Roppo甲州ワインタンブラーを企画したんです。
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物事はシンプルであればあるほど、込められた意味は深いものになる
「Roppo甲州ワインタンブラー」は、私がコンセプトを提案し、山梨市の陶工 田村六鵬(Roppo)が主宰する六鵬窯が、制作に協力してくれました。
作陶に向く土を選び抜き、一客づつ轆轤(ろくろ)を回し、地元の山の木々から採れる灰を釉薬として、標高650mの凛とした空気の中で焼く完全な「手しごと作品」です。
完成に至るまでは、プロトタイプを何種類かつくりました。
最終的に3つの形に絞り込み、ワインの関係者を何人か招いて実際に甲州ワインで試飲してもらい、様々な意見をもらいながら、最終的に評価が良かった今の形に落ち着きました。
風味を活かす為の先すぼまりの形状と、味わいの中の磁味を引き出し、全体に調和をもたらす球体の様な丸みを帯びた胴が特徴です。
唇に当てる際の感触も考慮して、その口は薄く仕上げられています。
*沼田さん直伝の正しい持ち方の図
ワインのある生活の楽しさをそれぞれで広めていけばいい
日本の気候は雨も多く、水分量が多いのでボディの軽いワインのスタイルが多くなります。
海外のワインであれば、ネガティブと取られる部分を逆に生かして、日本独自の文化として楽しむスタイルを私はこの「Roppo甲州タンブラー」をきっかけとして
全国に広めていきたいと考えています。
美術にたとえるなら、ダビンチ、ゴッホ、ミケランジェロ、全て素晴らしい芸術家たちですが、
同じように浮世絵師の写楽、北斎、歌麿も、日本独自のスタイルが世界で評価された人たちです。
ワインもそれと同じように、その国、その土地、そこの料理と合わせて
それぞれで楽しむ文化をみんなが自由な発想で広めていくことこそ、
日本ワインが世界に評価される時だと考えています。
Think Globally, Act Locally.
その精神を大切にしています。
買えるお店と、飲めるお店はコチラから
Roppo甲州ワインタンブラー
http://koshutumbler.com/
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