チリ産やアルゼンチン産のワインは、近年日本への輸入量が急激に伸びています。最近は、コンビニやスーパーに並んでいる安価なワインのほとんどが南米産であることもしばしばです。
南米の産地の特徴
特にチリ産ワインは、輸入量歴代1位のフランス産ワインを抜いてついに輸入量がトップになりました。それほどまでに、近年南米産のワインは日本で親しまれています。
ワイン作りに関しては、ヨーロッパやアメリカのカリフォルニアからの技術を取り入れ、高品質のワインを作っています。ブドウ品種は、黒ブドウではカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ、白ブドウではソーヴィニヨン・ブランやシャルドネなど、ヨーロッパからもたらされた品種がほとんどです。
南米の産地の紹介
南米の主な産地で、生産量も多く有名な国は、チリ、アルゼンチンです。その他に、ブラジルやウルグアイ、ボリビア、ペルーでもワインを生産しています。
チリとワインの特色
チリは南北に長い国ですが、ワイン産地も細長く広がっており、南北1,400キロにも及びます。生産されるワインの70%以上が赤ワインです。
栽培される品種は、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロのほか、カルメネールという黒ブドウも多く見られるようになりました。フランス原産ですが、チリの土壌が栽培に適しており近年栽培量が増えています。
チリは、ブドウの生育期はあまり雨が降らず糖度の高いブドウになるためワイン作りに適した気候といえます。産地の中でも、中央部がいちばん質の高いワインが作られる場所です。以前は国内消費が大半でしたが、近年は輸入も大幅に増えています。
中央部のマイポ・ヴァレーではカベルネ・ソーヴィニヨンがたくさん作られており、果実実豊かで味わい深いタンニンがあるしっかりとした赤ワインが作られています。北米やヨーロッパ、日本へ多く輸出されています。
アルゼンチンとワインの特色
アルゼンチンは、世界の中でも5本の指に入るほどワイン生産量が多い国です。
以前は国内消費向けのあまり高品質とはいえないテーブルワインの生産が盛んでした。しかし、1970年代後半から品質重視のワイン生産に、徐々にトレンドが移行していきました。近代的な栽培方法や醸造技術を取り入れ、現在では、国際的な賞を受賞するワインもめずらしくないほど高品質なワインをたくさん産出しています。ブドウ品種は、国際的な品種に加え、黒ブドウではマルベックがアルゼンチンを代表する品種として多く栽培されています。肉厚な果実実とバランスのよいタンニンが特徴です。
白ブドウはスペイン原産のトロンテスが主なブドウ品種です。広大な国の北西部の大部分でワインが作られていますが、アルゼンチンワインの90%以上を生産するのが中央西部です。中でも、メンドーサ州は全生産量の約70%を占める重要な産地です。
ブラジルとワインの特色
ブラジルワインはまだ日本ではあまり知られていませんが、リオ・クランデ・スル州という南部のウルグアイ国境付近でたくさん作られており、そこは100年以上の歴史があります。イタリアから渡ってきた移民の子孫のワイナリーが多く、イタリアの土着品種などを栽培しているところもあります。ブラジルはスティルワインに加えスパークリングワインの生産も盛んです。
南米の国のワイン魅力は圧倒的なコストパフォーマンスの良さ
南米産のワインは近年日本でも多く見られるようになってきました。ワイン作りに適した気候であるため、とても果実が豊かでコクのある美味しいワインが作らます。そして、ヨーロッパのワインなどと比べると、質の割りに価格がお手ごろなものが多く見られます。南米ワインの魅力は、なんといってもそのコストパフォーマンスの良さと言えるでしょう。
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