ニュージーランドはワイン新興国ながら、その質の高さから国際的な評価が非常に高く、この10年で生産量は約2倍に増えています。
国内産地の紹介
ニュージーランドは北島、南島と多数の島で構成されています。島の中央に連なる山脈が西側からの雨を遮り、葡萄作りには欠かせない乾燥と日照時間を東海岸にもたらすため、ニュージーランドのワイン産地はほとんどが東海岸にあります。主な生産地は、北島のノースランド、オークランド、ワイカト&ベイ・オブ・プレンティ、ギズボーン、ホークス・ベイ、ワイララパ、ネルソン、南島のマールボロー、カンタベリー、そして、国内で唯一、内陸にあるセントラル・オタゴです。
ノースランドとワインの特色
1819年に国内で初めてブドウが植えられた地方。国内最北かつもっとも温暖なエリアで、高温を好む品種のブドウが栽培されています。カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローのブレンドや、熟成度の高いシャルドネが生産されています。
オークランドとワインの特色
ニュージーランド最大の都市オークランド周辺は大手ワインメーカーが点在しています。ワイヘキ島や北部のマタカナはカベルネ・ソーヴィニヨン、メルローといったボルドースタイルの赤ワインの名産地として有名で、世界クラスのグランヴァンが生み出されます。
ワイカト&ベイ・オブ・プレンティとワインの特色
ほかのエリアと比べて湿度が高いことが特徴。シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ソーヴィニヨン・ブランなどが作られています。ワイカトでは貴腐ワインも生産されています。
ギズボーンとワインの特色
世界で最も東に位置するワイン産地。栽培されている葡萄の種類の約半数がシャルドネです。また、ゲビュルツトラミネールやシュナン・ブラン、リースリングなども生産されています。
ホークス・ベイとワインの特色
ニュージーランドで2番目に大きなワイン産地。土壌や地形の変化に富み、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン、シラー、ピノ・ノワールなどさまざまな種類の葡萄が栽培されています。ボルドースタイルのワイン造りが主流です。
ワイララパとワインの特色
1980年代からワイン作りを始めた比較的新しい産地。冷涼な気候を持つこの地域で作られるブドウは、ソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールが主要品種です。ワイララパの中で特に産地名より有名となったマーティンボローは、ピノ・ノワールの聖地と言われています。
ネルソンとワインの特色
南島北端部のネルソン地方は小規模ながら質の高い個人経営のブティック・ワイナリーがたくさんあり、寒冷地での栽培に向いたブドウ品種が主で、シャルドネやピノ・ノワールのほか、リースリングやゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリなどが栽培されています。
マールボローとワインの特色
マールボローはニュージーランド最大のワイン産地として知られています。国内最長の日照時間と水はけがよくミネラルを豊富に含んだ土壌は葡萄の栽培に最適と言われています。ニュージーランドワインブームを巻き起こしたマールボローのソーヴィニヨン・ブランは世界のソーヴィニヨン・ブランのお手本とも言われます。
カンタベリーとワインの特色
1970年代後半からのワイン産地であるクライストチャーチ周辺と、近年急成長を遂げている新しい産地ワイパラ渓谷周辺の2つの地区に分かれています。涼しく乾燥した気候に合うピノ・ノワール、シャルドネ、リースリングなどの栽培が盛んです。
セントラル・オタゴとワインの特色
南島南部のセントラル・オタゴは、世界最南端にあるワイン産地です。ニュージーランドのほかの主要産地と異なり内陸にあり、朝晩と夜、また季節による気温差が激しい大陸性気候に属しています。ピノ・ノワール、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングなどが造られています。
国際品質のワイン
生産国としての歴史は浅いながら、特にソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールは品種そのものの特性をよく現わした質の高いものが世界的に評価を受けています。
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