新橋の「日本ワインバー3丁目のうさぎ」の店長の二村恵子(ふたむら さとこ)です。
飲食店の立場から日本ワインに携わる者として、いろいろとお話していければと思います。
「日本のワインってこんなに美味しいんだね!」
この一言がお客様からのお言葉で、最高に嬉しいお言葉です。
2011年12月のオープン以来カウンターに立ち続けていますが、本当にたくさんのお客様にご来店いただきました。
オープン当初に比べ、日本ワインの認知度も上がり、それに伴って当店にお越しいただくお客様も増えてきたことを、日々実感してます。
たくさんの日本ワイン好きのお客様にご来店いただいてますが、一度だけ悔しくて閉店後に泣いたことがあります。
まだオープンして間もない頃、何度かいらしたお客様が日本在住の外国人の方と2名でご来店されました。
そしてその外国人の方がこう言いました。
「まずいね〜。日本人になんて美味しいワイン、造れるわけないよ。」と。
おまけに、ペッペッとまでされて…
それでもまずいとは言いつつ何種類かは飲み、唯一某ワイナリーのシャルドネだけは「これは飲めるかも」と言ってました。
もちろん好みの違いもあるので仕方ないとも言えますが、ただただ悔しく伝えきれない自分の力量のなさを悔やみ泣きました。
あの時のお客様が今日本のワインを飲んだら、どんな感想を言うのかな?と今でも考えたりします。
こんな悔しい経験を踏まえ、お店でも、またお店以外でも日本のワインの造り手さんの気持ちをできるだけ多くのお客様にお伝えしたい、と常日頃思っています。
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ブームではなく生活に根ざしたものに
4年程前に、とあるワイナリーの醸造家さんとお話した時に仰った言葉がとても心に残っています。
「日本ワインの飲み手の裾野を広げないと、日本ワインはダメになる」
今よりも日本ワインに興味を持つ方が少なかった当時は、日本のワインのイベントの参加者は見知った顔ばかりだったそうです。
「限られた人達が日本ワインを飲んでいるだけでは発展しない。」
「造り手も、もっといろんな飲み手の方の正直な感想を聞きたい。」と。
そんな想いを聞きその後、その醸造家さんのワインをイベントでお出しした時、お客様の感想を良いことも悪いこともお伝えさせていただきました。
最近は「日本ワインブーム」と言われてますが、「ブーム」はいつか終わるもの。
「日本ワインブーム」ではなく、みなさんが飲むお酒の選択肢の中に「日本ワイン」が当たり前のようにあるようになって欲しいと切に願っています。
ワイナリーには気軽に遊びに行こう
最近は都内近郊だけでなく、全国各地で日本ワインのイベントが開催されています。
そういったイベントは醸造家さんと直接お話できる素晴らしい機会ですし、ワインに合わせたお料理あったりして、私もちょくちょく参加させていただいています。
でも!できればワイナリーに行ってみてください!
そのワインの造られた風景や空気を肌に感じ、改めてそのワインを飲むと、本当に印象が変わると思います。
こう言ったお話をするとお客様に、
「自分たちみたいな素人がいきなりワイナリーなんて行って大丈夫なの?」
「ワインのこともよく分からないで行ったら迷惑なんじゃないの?」と言われます。
そんな時は、当店でお客様との交流会にお招きした醸造家さんのお言葉を伝えることにしています。
「とにかくワイナリーに来てみてください!そして僕たちが造っている土地を、直接肌で感じてください!」と仰ってましたよ、と。
そしてお客様から「ワイナリーを周ってみたら、すごく楽しかったよ!」とご報告がてらご来店いただくと、本当に嬉しくなります。
ただ一つ注意点があります。ワイナリー巡りは時間に余裕を持って!
造り手さんたちの熱いお話を伺っていると、必ず予定時間をオーバーしますので(笑)
店舗情報
「3丁目のうさぎ」
東京都港区新橋3-6-14 オグラビル2F
TEL:03-3593-1216
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