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第6回 ニュージーランドで受賞ワインをハンティング!

神原博之
神原博之


ニュージーランド最大のワインアワード『AIR NEW ZEALAND WINE AWARDS』

ニュージーランドワインを求めて、ニュージーランドを旅する――。
その醍醐味のほかにも、僕がニュージーランドを訪れる理由があります。
それは、ニュージーランドのワインアワードで受賞したワインを探しに行くというもの。まさに、受賞ワインのハンティングともいいましょうか。
その最も権威あるニュージーランドのワインアワードが、ニュージーランド航空が主催している『AIR NEW ZEALAND WINE AWARDS』(以下、『AIR NZ WINE AWARDS』)
です。
 
毎年11月にその年の受賞ワインがワインの種類別、格付け別に決定するのですが、さすがは受賞ワインということもあって、なかには市場からあっという間になくなってしまうワインも数多くあります。そんな『AIR NZ WINE AWARDS』の受賞ワインの格付けは、以下の通りに設定されています。


5つの受賞格付け

これらのなかでも特に入手困難なワインは、受賞ワインのなかでもっとも最高勲章である「Trophy(トロフィー)」と呼ばれているワインです。
このトロフィーを受賞したワインのボトルには、このような黒いシールが貼られているのです。

このシールが貼られたワインこそ、その年の種類別ワインの頂点の一本に輝いたワインといっても過言ではありません!
そんなワインをハンティングしに行く。なんだかワクワクしてきませんか?


最新のワインアワード、『AIR NZ WINE AWARDS 2016』が発表!

現在2017年ですが、もっとも最新の『AIR NZ WINE AWARDS』は、2016年版のものです。2017年版は、11月に発表になる予定です。つまり、いま市場では2016年のトロフィーワインが流通していうわけですが、こちらがその受賞ワインです。
参照:2016年受賞ワイン一覧PDF

これら、16本のトロフィーワインを、ニュージーランド国内でハンティングする。まさに、極上の一本を求めた宝探しのはじまりです。
ただし、ドラゴンボールを集めるかのごとく、ただやみくもにトロフィーワインを探しあてるわけではありません。僕のポリシーとしては、「自分の好きなワイン、もっとわかりやすくいえば自分が普段好んで飲んでいるブドウ品種を中心にハンティングする」というものです。
僕は、白ワインであればソーヴィニヨンブランやシャルドネが好きで、赤ワインであればピノ・ノワールやブレンドワイン、シラーが好きなので、まずはこのあたりの品種のトロフィーワインを狙い撃ちするのです。


Babydoll Sauvignon Blanc Marlborough 2016

そんななか、まずはぜったいに外せないのがソーヴィニヨンブランのトロフィーワインです。この部門では、「Babydoll Sauvignon Blanc Marlborough 2016」が受賞しました。

国内外を含め、ニュージーランドワインのなかでも特に人気を博しているソーヴィニヨンブランということもあって毎年入手困難なのですが、今回は運よく4本も手に入れることができました。さっそく、テイスティングしてみましたが、「これぞ、ニュージーランドのソーヴィニヨンブラン!」という、フレッシュな味わいを楽しむことができます。


Brancott Estate Letter Series “O” Chardonnay Marlborough 2015

続いては、シャルドネ部門です。
この部門では、「Brancott Estate Letter Series “O” Chardonnay Marlborough 2015」が受賞しました。

Brancott Estateは、ニュージーランドのワインメーカーでもっとも大きなワインメーカーです。以前は、「Montana」という名前でした。
このBrancott Estateが造るワインのなかでも、極上のリザーヴシリーズが「Letter Series」と呼ばれるもので、ラベルには品種ごとにワインが造られた地名の頭文字であるアルファベットが刻まれています。今回受賞した「O」というのは、以前このシャルドネが「Ormond」という場所で造られていた名残りなのですが、いまはMarlboroughという場所で造っているにもかかわらず、「M」には変更しなかったようです。やはり、「“O” Chardonnay」というのが、ひとつのブランドとして確立したからだと思います。
さて、そんなシャルドネ部門のトロフィーワインですが、こちらは残念ながら入手できませんでした。現地ワインショップのオーナーさんいわく、受賞が決まって数日で完売したそうです。ただし、このワインの最新ヴィンテージである「2016」を入手できましたので、ラベルのイメージとして参考までにご紹介しておきます。


Whitehaven Pinot Rosé Marlborough 2016

続いては、ロゼ部門です。
この部門では、「Whitehaven Pinot Rosé Marlborough 2016」が受賞しました。

以前もコラムで書いたと思うのですが、いまニュージーランドのロゼが世界的な人気を博しています。僕も夏のこの時期になると、無性にニュージーランドのロゼが飲みたくなるほど。そこで、ハンティングに出かけたところ、こちらは入手することができました。
さっそく、テイスティングしてみたのですが、瑞々しい香りや、爽やかな果実感が絶妙。まさに「ニュージーランドワイン、夏の風物詩」ともいえそうです。


Deutz Cuvee Blanc De Blancs Methode Traditionnelle Marlborough 2013

続いては、スパークリング部門です。
この部門では、「Deutz Cuvee Blanc De Blancs Methode Traditionnelle Marlborough 2013」が受賞しました。

ワインパーティーのスターターとしての役割を担うスパークリングワイン。
なかでも、ニュージーランドのスパークリングのトロフィーは、密かな激戦区だといえます。というのも、そのクオリティはどこのメーカーも非常に高く、フランスのシャンパンに引けを取らない、いや、それ以上のクオリティを発揮しているからです。
こちらも、運よくハンティングすることができました。スッキリとした辛口で、喉ごしも抜群です。


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Nautilus Albariño Marlborough 2016

続いては、白ワイン他部門です。この部門では、「Nautilus Albariño Marlborough 2016」が受賞しました。

こちらのワインも、ハンティングに成功。
この「アルバリーニョ」という品種、実はニュージーランドではとても珍しい品種です。というもの、アルバリーニョとはスペインやポルトガルなどの大西洋岸の穏やかな気候で育まれる「高貴品種」とも呼ばれているからです。このアルバリーニョの特徴は、リースリングやヴィオニエといった香り高い品種の特徴を併せ持っている、いわば「いいとこどり」の品種だといえます。
シンプルな味付けの魚料理に合わせると、最高のマリアージュが楽しめます。


Lowburn Ferry Home Block Pinot Noir Central Otago 2014

続いては、赤ワインにまいりましょう。
まずは、ピノ・ノワール部門です。
この部門では、「Lowburn Ferry Home Block Pinot Noir Central Otago 2014」が受賞しました。
こちらのワインは、残念ながら入手することができませんでした。これまた、受賞が決まって数日で完売だったそうです。
それもそのはず、世界最南端のワイン産地であり、世界最高峰のピノ・ノワールの産地でもあるセントラルオタゴのピノ・ノワールが受賞したとなれば頷けます。


Villa Maria Reserve Gimblett Gravels Cabernet Sauvignon/Merlot Hawke’s Bay 2014

続いては、カベルネ・ブレンド部門です。
この部門では、「Villa Maria Reserve Gimblett Gravels Cabernet Sauvignon/Merlot Hawke’s Bay 2014」が受賞しました。
こちらのワインは、ハンティングに成功しました。

やはり、ステーキやBBQなどでそのポテンシャルを存分に発揮するブレンドワインは外せないでしょう。カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローのブレンドバランスが秀逸な一本です。


Mission Reserve Cabernet Franc Hawke’s Bay 2014

続いては、赤ワイン醸造家部門です。
この部門では、「Mission Reserve Cabernet Franc Hawke’s Bay 2014」が受賞しました。

こちらも、ハンティングに成功しました。

このMission Estateは、ニュージーランドでもっとも古い歴史を持つワインメーカーです。
このワインメーカーはシャルドネとブレンドワインに力を入れているので、やはり『AIR NZ WINE AWARDS』の常連ともいえましょう。
カベルネ・フラン」の特徴としては、ピノ・ノワールのようなルビー色調で、ほどよい渋味と酸味を合わせ持った繊細な味わいです。カベルネ・ソーヴィニヨンが持つブルーベリーやカシス、さくらんぼや木イチゴといった果実の香りを楽しむことができます。


Mission Reserve Syrah Hawke’s Bay 2015

そして、最後にご紹介するのがシラー部門です。
この部門では、「Mission Reserve Syrah Hawke’s Bay 2015」が受賞しました。

またしても、Mission Estateの赤ワインなわけですが、シラー部門での受賞はニュージーランド国内ではサプライズだったようです。
こちらもハンティングに成功しました。
南半球のシラーといえばオーストラリアを連想しますが、ニュージーランドのシラーはいま多くのワインメーカーが栽培をはじめた、いわば黎明期の品種ともいえます。特に、このMission Estateが本拠地を置くホークス・ベイにおいて近年栽培が盛んです。
味の特徴は、上品な粗挽き胡椒のようなスパイシーさのなかに、ベリー系果実の味わいによって繊細なタンニンと柔らかい余韻が楽しめます。
肉料理にはもちろんですが、この時期におすすめなマリアージュが「鱧料理」です。鱧の持っている甘みを、より引き立ててくれること間違いありません。


2017年の発表は11月

さて、今回は『AIR NZ WINE AWARDS』受賞ワインのハンティングというテーマでお送りしました。
もし、ニュージーランドを旅する機会に恵まれれば、ぜひとも現地で『AIR NZ WINE AWARDS』受賞ワインをハンティングしてみてはいかがでしょうか。その味は、折り紙つきです。
また、運が良ければこうした受賞ワインが日本に流通されることもあります。僕も実際に、日本で『AIR NZ WINE AWARDS』のトロフィーワインを買うことができました。なので、毎年11月に発表になる受賞ワインをチェックしておくというのも、いいかもしれませんね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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