北米の産地はアメリカのカリフォルニア州が、ニューワールドのワインの成功例として有名です。ワイン作りが始まったのは、大航海時代にヨーロッパから渡ってきた人たちによってブドウが持ち込まれたのがきっかけです。
北中米の産地の特徴
オールドワールドと呼ばれるヨーロッパの国々のように、伝統的に続くワイン作りの規制などがなく、自由にワイン作りができる環境でした。そこで、ラベル表記などもヨーロッパのそれとは違う、まったく新しいものが出来、他のニューワールドにも広がっていきました。
カナダはそんなアメリカの影響を受け、ワイン作りが発展してきた国と言えます。数十年前まで世界的な認知度は低かったのですが、1980年代にブドウを自然に凍らせることで糖度を凝縮したアイスワインが注目を受け始めたことをきっかけに、他のワインも世界的に名を馳せていきました。
栽培されるブドウは、黒ブドウはカベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワール、白ブドウではシャルドネやリースリングといった世界的な品種が大半です。
北中米の産地の紹介
北中米の主な産地はカナダとアメリカです。アメリカは、カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州、ニューヨーク州などの産地があります。カナダは、オンタリオ州やブリティッシュ・コロンビア州などでワインが作られています。
アメリカとワインの特色
アメリカのワインの約90%が西海岸のカリフォルニア州で作られています。大きく5つの地域に分けられ、その中にA.V.A.と呼ばれる政府が認定した優良ブドウ栽培地域が存在します。特に高品質なワインが生産されるのはカリフォルニア州北部の太平洋沿岸に広がるノースコースというエリアです。
有名なA.V.A.に、ナパ・ヴァレーやソノマ・ヴァレーがあります。アメリカのワインを題材にした映画などの舞台にもよく使われている世界的に有名なエリアです。ここには著名なワイナリーも多く、赤はカベルネ・ソーヴィニヨンから、白はシャルドネから高品質なワインを生産しています。
フランスなどと比べると全体的に気温が高いため、ブドウがよく熟し、少し甘みさえ感じるようなアルコール度が高めの力強くフルボディのワインができます。
カリフォルニア州についで生産量が多いのがオレゴン州やワシントン州です。同じくアメリカ西部に位置します。オレゴン州は高品質なピノ・ノワールが作られるとして近年注目を浴びています。東部ではニューヨーク州でワイン作りが行われています。
カナダとワインの特色
カナダ最大のワイン産地は、ナイアガラの滝が位置するナイアガラ・ペニンシュラです。ここで、カナダで生産されるワインの約8割が作られています。
カナダで有名なワインは、アイスワインです。アイスワインは、冬、外気が氷点下になり木になるブドウが自然に凍るまで待ち、それを凍ったまま収穫しワインにするというもので、とても甘く芳醇なワインになります。
ドイツが発祥の地と言われますが、ナイアガラでも生産が始められ今ではこの土地を代表するワインとなりました。また、リースリングやピノ・ノワールの栽培にも成功しており、世界的にも高い評価を得ています。カナダ西部のブリティッシュ・コロンビア州では、オカナガン・ヴァレーという地域で高品質なワインが生産されています。
北中米の国のワイン魅力は独自の気候を生かしたワイン作り
北中米のワイン作りは、ヨーロッパからもたらされたブドウ品種などを中心に作られています。しかし、歴史の中でのワイン作りの発展において、独自の気候を生かしヨーロッパのそれとは、違った魅力のあるワインを作ってきたといえます。ヨーロッパのワインと飲み比べてみるのも興味深い体験ができます
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