その温暖な気候のもとで造られたワインは、ヨーロッパ以外のワイン産出国「ニューワールド」のワインとして、近年注目を集めています。
チリワインの特徴
チリはアンデス山脈に沿って南北に4300㎞に伸びる長細い形をした国です。南極からのフンボルト海流が流れる太平洋からは、冷涼な風がブドウ畑へ吹きつつも、海岸の山々のおかげで比較的温暖で乾燥した環境になっています。
国内産地の紹介
ワインの産地は、国内で北部・中部・南部と大きくエリアが分かれており、南部エリアのワイン産出量はわずか10%程度であり、ほとんどが北部と中部のエリアで造られています。
北部エリアには更にエルキ・ヴァレーやリマリ・ヴァレー、チョアパ・ヴァレーが主な産地として挙げられ、中部エリアではマイポ・ヴァレーやラベル・ヴァレー、クリコ・ヴァレー、マウレ・ヴァレーが主な産地として挙げられます。中でも中部エリアに重要な産地が集中しています。
エルキ・ヴァレーとワインの特色
チリの首都、サンティアゴから400㎞北に位置に位置するこの地域は、チリ最北端のワイン産地です。この地域で最も多く作られるブドウ品種は黒ブドウのシラーと白ブドウのソーヴィニヨン・ブランです。砂漠に囲まれているため、気温が高く非常に乾燥しています。しかしながら海抜2000mに作られたブドウ畑の夜は冷涼で、この寒暖差が適度な酸味を持ちながらも力強い完熟感のあるブドウを作りだします。
リマリ・ヴァレーとワインの特色
エルキ・ヴァレーから南に80㎞ほどの距離にエルキ・ヴァレーがあります。比較的冷涼な気候と、チリでは珍しい石灰やミネラルを含んだ土壌により高品質なシャルドネが栽培されています。この地域ではシラーも人気の品種として栽培されており、冷涼な気候で育ったシラーからは香ばしく果実味のしっかりとしたワインが造られます。
チョアパ・ヴァレーとワインの特色
チョアパ・ヴァレーはチリでは最もワイン造りの歴史が浅く、最も狭いワイン産地です。アンデスの山頂と太平洋に挟まれたこの地域はその両方の影響により冷涼で乾燥した地域です。シラーやカベルネ・ソーヴィニヨンから造られるワインが主流で、黒い果実のようなスモーキーでエレガントな味わいのワインが造られています。
マイポ・ヴァレーとワインの特色
首都サンディアゴのすぐ南に位置するマイポ・ヴァレーは、チリの重要なワイン生産地域の一つです。
カベルネ・ソーヴィニヨン主体で造られる赤ワインが主流で、「南米のボルドー」と評されることもあり程に果実味豊かなワインが造られます。
ラベル・ヴァレーとワインの特色
マイポ・ヴァレーから約100㎞離れたこの地域は、中部エリアの中でも非常に大きいワインの産地であり、チリワインの実に約4分の1がこのラベル・ヴァレーで造られています。暖かく乾燥したこの地域では、幅広いブドウが栽培され、特にカベルネ・ソーヴィニョンやシラー、カルメネールなどが主に栽培されています。ラベル・ヴァレーは更に、北部のカチャポアル・ヴァレーと南部のコルチャグア・ヴァレーに分けられます。特に、国際的な注目を集めるカチャポアル・ヴァレーでは果実味と酸味のバランスのとれたエレガントなワインが造られます。
クリコ・ヴァレーとワインの特色
首都サンティアゴの約185km南に位置するクリコ・ヴァレーでは、コストパフォーマンスに優れたワインが多く産出されます。他の地域よりも多くの種類のブドウの栽培をしていますが、主にカベルネ・ソーヴィニヨンとソーヴィニヨン・ブランから作られています。特にソーヴィニョン・ブランの栽培面積はチリ国内最大です。
マウレ・ヴァレーとワインの特色
マウレ・ヴァレーは約30,000haのブドウ栽培地を持つ国内最大のワイン生産地です。昔は黒ブドウのカリニャンを多く栽培していましたが、現在はカベルネ・ソーヴィニヨンやカルメネールなどの国際品種に変わってきています。チリ特有の強い日差しと昼夜の寒暖差、かつ長い育成期間により完熟味のある酸味のバランスがとれた味わいの良いワインが多く産出されています。
チリワインの魅力はその気候とコストパフォーマンス
チリのワインは果実味がしっかりしていて酸味のバランスも良く、コストパフォーマンスに長けたワインが日本でも非常に多く見つかります。
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