スペインはワイン用ブドウの栽培面積は世界で第1位、ワインの生産量もフランスやイタリアに次いで第3位のワイン大国です。スペインワインにおいて、最も重要な品種はテンプラニーリョで、まろやかでとても飲みやすいタイプの赤ワインを作ります。スペインのいろいろな地方で作られており、地方によってブドウの名前の呼び方が変わることもあります。
スペインワインの特徴
スペインは、カヴァと呼ばれる良質なスパークリングワインも有名です。比較的安価なものも多く、日本にもたくさん輸入されています。認定された産地で作られ、瓶内二次発酵や、最低9ヶ月の熟成規定を満たしたものだけがカヴァを名乗ることができます。
また、スペインといえば酒精強化ワインのシェリーが有名です。ワインにブランデーを加えアルコール度数を高めたもので、辛口のものから甘口のものまであります。ポルトガルのポートワイン、マディラワインと並んで、世界3大酒精強化ワインの1つとして、古くからスペインを代表するお酒の一つとなります。
スペインのワイン法で定められた高級ワインは、V.P.(単一ブドウ畑限定高級ワイン)、D.O.C.(特選原産地呼称ワイン)、D.O.(原産地呼称ワイン)、V.C.I.G(地域名称付き高級ワイン)というように分けられています。
国内産地の紹介
スペインでは、ほぼ国全域でワインが作られています。地域はおおまかに5つに分けられます。北部地方、地中海地方、内陸部地方、大西洋地方、南部地方です。
北部地方とワインの特色
スペインワインの産地といえば、リオハという名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。リオハは、スペインの北部を流れる、エブロ川の両岸に広がるワイン産地。生産されるワインの半分以上は赤ワインです。テンプラニーリョ主体のものが多く、早飲みタイプから熟成に向くものまで様々なタイプのワインが作られています。また、リオハは最初にD.O.Cに認定された地域です。
地中海地方とワインの特色
スペインの東側、地中海に面したエリアです。この地方の北部は、バルセロナ近郊にワイン産地が集まっています。スペインを代表するスパーグワインのカヴァも、90%がこのカタルーニャ州で生産されています。地中海地方の中南部では、地元原産のモナストレルとうブドウを使った赤ワインが多く作られています。カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロとブレンドし、熟成に向く高品質なワインも増えています。
内陸部地方とワインの特色
スペインの中心よりやや北にある地方。ドゥエロ川流域に広がるワイン産地です。スペインで生産されるワインの約半分の量がこの地方で生産されています。リベラ・デル・ドゥエロはスペインを代表する銘醸地のひとつで、ティント・フィノ(この地方でのテンプラニーリョの呼び方)から深みのある良質な赤ワインが作られます。広大な平原が広がるラ・マンチャは、スペインの原産地呼称の中で最大の栽培面積を誇ります。白ブドウのアイレンの栽培面積は世界で最大、すっきりとした白ワインが多く作られます。
大西洋地方とワインの特色
ポルトガルの北に位置する大西洋地方。この地方にある、リアス・バイシャスでは産地の90%でアルバリーニョという白ブドウが作られています。軽くフレッシュな酸味が特徴の上質な白ワインを作ります。
南部地方とワインの特色
スペイン南部のヘレスやマラガでは、酒精強化ワインの生産が盛んです。中でもヘレスで生産されるシェリーは世界3大酒精強化ワインとされ、世界的に有名です。
スペインワインの魅力は絶えず変化するところ
シェリーや、カヴァ、地元原産品種を使用するなど、スペインは伝統を大切に守りながらワイン造りに励んできました。その一方で、近年では外来種も積極的に取り入れて、品質向上にも力を入れています。絶えずより良いものを求めて変化していくところも、スペインワインの魅力と言えるのはないでしょうか。
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