ワインの魅力を最大限に引き出すには、適切な温度で提供することが欠かせません。種類に合わせた温度管理で、ワインをより楽しみましょう。
☆ワインの味わいと温度
まずは温度による味の変化の基本を押さえましょう。
ワインの味は、酸味や渋み、甘みなどのさまざまな要素によって構成されています。これらは温度によって表れ方が異なりますので、ワインはそれぞれの特徴に合わせた温度で提供する必要があります。
基本的にワインの温度は、低いほど渋みが強調され、酸味がシャープに感じられるようになります。タンニンがほとんど含まれない白ワインやボージョレ・ヌーヴォーなどの渋みのない赤ワインは、低めの温度で提供するとすっきり美味しく味わうことができます。
逆に温度が高い場合には、甘みが強く感じられ、渋みや酸味がまろやかになります。豊富なタンニンを含み重厚な味わいのフルボディの赤ワインの魅力を引き出すには、常温が最適ということですね。
☆赤ワインの基本「常温」とは?
「赤ワインは常温で」というのが今やワインを提供する際の常識となっていますが、実はこの「常温」、日本の室温とイコールではないことはご存知でしょうか?
ここで言う「常温」とは、ヨーロッパでの平均的な気温である18℃前後の温度を指します。日本の室温はおよそ20℃から24℃ほどということを考えると、日本の室温で提供される赤ワインはぬるすぎる、ということになってしまいます。
あまり高い温度で提供すると、ワインの味がぼやけてしまいます。赤ワインであっても、その魅力を十分に引き出すには冷やす作業が欠かせないということは、記憶にとどめておきましょう。
☆赤ワインの適温と冷やし方
赤ワインの適温は、フルボディで16〜18℃、ミディアムボディで13〜16℃、ライトボディで10〜12℃ほどと、飲み口が軽いほど温度を下げるのが基本です。室温から5℃下げるには、氷水で5分ほど、もしくは冷蔵庫で30分〜1時間ほど冷やすのが目安です。
☆白ワインの適温と冷やし方
辛口白ワインのすっきりとした酸味を楽しむには、6〜10℃ほどが最適です。氷水で20分、冷蔵庫で4〜5時間ほどが、この温度帯に近づける目安となります。
甘口は2〜6℃ほどと、さらに冷やしたほうが甘みは残らずさっぱりとした味わいになります。飲み頃までには氷水では30分ほど、冷蔵庫なら丸1日冷やします。発泡性のワインも、この甘口白ワインと同じようにしっかりと冷やしてから味わいましょう。
ただし、コクのある芳醇な味わいが特徴ブルゴーニュ産の上質な白ワインは、10〜13℃ほどの一般的な白ワインよりも高めの温度のほうがふくよかな香りを楽しめます。
☆ロゼワインの適温と冷やし方
ロゼワインについても、温度管理の基本的な考え方は白ワインと変わりありません。甘口ほど温度を下げて提供しましょう。ただし、ロゼワインの場合は白ワインよりも若干温度を高めに設定するのがポイントです。甘口、辛口ともに7〜14℃程度の範囲にとどめるようにしましょう。氷水では15分、冷蔵庫で3〜4時間が目安です。
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