ニュージーランドワイン専門店に出かけてみよう!
ニュージーランドワインの生産量は、近年の世界的な人気に伴い右肩上がりに拡大を続けています。10年前と比較すると、3倍以上にもなるというのですから驚きです。もちろん、その“恩恵”は日本もけっして例外ではありません。少なくとも東京都内ではニュージーランドワインを取り扱うお店が増えていることを実感しています。
思い返せば、僕がニュージーランドから帰国した2000年ごろは、「ニュージーランドワインが飲みたい」と思っても、なかなか見つけるのが難しい状況でした。
ところが、いまではレストランのみならず、ワインショップやデパート、さらにはスーパーマーケットなどでも見かけるようになりました。
そこで、日本のニュージーランドワイン輸入量を調べてみたところ、2005年が約404キロリットルだったのに対し、2015年には約1212キロリットルと、こちらも3倍以上に数字を伸ばしていることがわかりました。
そうしたなかで、都内ではニュージーランドワインを楽しめるレストランが、まるで雨後の筍のようにたくさん登場しているのをご存知でしょうか。
そこで、今回のテーマは「都内でニュージーランドワインを楽しむ!」という経験学習をご提案したいと思い、僕がお気に入りでもあるレストランをいくつかご紹介します。
アロッサ 銀座店
東京都中央区銀座2-4-6 銀座ベルビア館8F
TEL:03-5524-1146
http://www.pj-partners.com/arossa/ginza/home/
まずご紹介したいのが、ニュージーランドワイン専門のレストラン、「アロッサ 銀座店」です。このレストランを語らずして、ニュージーランドワインは語れないといっても過言ではないでしょう。
僕が知る限りでは、このレストランが都内でもっともニュージーランドワインを揃えていると思います。その数、なんと常時250種類以上! ニュージーランドワイン好きな僕にとってはまさに夢のレストラン、このレストランのワインリストを見ているだけでもワクワクしてきます。
また、このレストランのスゴさはワインの種類だけではありません。ニュージーランドの食材をふんだんに使った料理の数々を楽しむことができる、ニュージーランドワイン&フードのマリアージュが存分に堪能できるのです。
そんなアロッサで最初におすすめしたいワインがこちら。「Misha’s VINEYARD SAUVIGNON BLANC」です。
「ニュージーランドのソーヴィニヨンブラン? 王道でしょ?」
そんなふうに思われた方もいらっしゃるはず。ですが、このソーヴィニヨンブランはひと味違います。なぜなら、多くの人が知っているマールボロ産ではなく、日本ではとても珍しい、地球最南端に位置するワイン産地であるセントラルオタゴ産のソーヴィニヨンブランだからです。
その味わいは、ソーヴィニヨンブランが持つパッションフルーツと緑の芝生のような新鮮な個性に加え、上品なバニラの複雑さを合わせ持っているのが特徴です。
このワインに合わせる料理がこちら。
ニュージーランド産キングサーモンのカルパッチョです。
ニュージーランドのサーモンは、日本で食することができるサーモンに比べ、脂が上品で濃厚な旨みを持っています。このサーモンは、このレストランでぜったいに食べておきたい逸品です。
もちろん、メインの肉料理や魚料理も充実しています。こちらはニュージーランド産ビーフですが、赤身のジューシーさが食欲をより駆り立てます。
そんなニュージーランドビーフには、こちらの「Black Estate Pinot Noir」がおすすめです。
このワインをワインリストから見つけたとき、正直日本で食事をしていることを忘れてしまいそうでした。というのも、ワインに記されている「ノースカンタベリー」という場所は、知る人ぞ知るワインの産地ではあるのですが、かなりマニアックなワインだからです。それでも、南島ならではの上質な赤ワインであることが疑いの余地がないワインです。
このアロッサに通えば、美味しい食事を楽しむとともに、ニュージーランドワイン通になれること間違いなしでしょう。
WAKANUI GRILL DINING BAR TOKYO
東京都港区芝公園3-4-30 32芝公園ビル10F
TEL:03-5401-5677
http://www.wakanui.jp/grill_dining_bar_tokyo/index.html
続いてご紹介するのは、こちらもニュージーランドワイン専門店の「WAKANUI GRILL DINING BAR TOKYO」です。
以前は、東麻布にありましたが、現在は東京タワーの足もとに移転しました。
このレストランにも常時60種類以上のニュージーランドワインがあり、クオリティの高い料理とともに、多くのワイン通たちに愛されているレストランです。
ここでおすすめしたいワインがこちら。「RIMAPERE SAUVINON BLANC」です。このワインは、まさにニュージーランド王道のソーヴィニヨンブランを楽しむことができます。その味わいは、キレのあるフレッシュさと豊富な果実味でしょう。
このソーヴィニヨンブランにぜひとも合わせたいのが、ニュージーランド産グリーンマッスルです。
グリーンマッスルとは、いわゆるムール貝の一種なのですが、ニュージーランドのそれはニュージーランド政府によって世界一厳しく品質基準管理されているため、その新鮮さは世界一といえます。そんなグリーンマッスルは、少し冷え過ぎなくらいのソーヴィニヨンブランとの相性が抜群です。
そして、このレストランの売りはこのニュージーランド産熟成肉。
ニュージーランドで18ヶ月間完全放牧により新鮮な牧草だけを食べて育ったアンガス牛を、カンタベリー平野中央部海岸沿いの地方「Wakanui(この店名の由来でもあるワカヌイ)」にある工場から3週間かけて熟成させながら東京に到着したあと、さらにレストランの熟成庫で約3週間乾燥熟成していて、備長炭でていねいに焼くことによって、肉本来の風味や甘みを楽しむことができるというわけです。
ただし、そんな絶品ニュージーランドビーフもさることながら、僕がここであえておすすめしたいのはこちらのラムチョップです。
実はこのレストラン、「日本で最もおいしいラムを提供する」とさえいわれているほどの逸品なのです。たしかに、これほど新鮮なラムは日本のどこを探しても見つからないでしょう。
この絶妙な火の通し加減は、ラムを知り尽くしたシェフでなければできない、まさに職人技ともいえるかもしれません。
そんなラムチョップには、「Te MATA ESTATE SYRAH」がおすすめです。
シラーといえばオーストラリアというイメージがありますが、ニュージーランドのシラーはブラックチェリー、ラズベリー、プラム、野生ハーブの香りがエレガントに口の中に広がります。優雅なフルーツ感と、細かく滑らかなタンニンがほどよく調和し、肉料理をより引き立たせてくれます。
たまには贅沢に! 高級ホテル中華とニュージーランドワインを楽しむ!
続いてご紹介するのは、都内の高級ホテルにある中華料理とニュージーランドワインのマリアージュです。
近年のニュージーランドワイン人気を受けて、都内にある高級ホテルの中華レストランでもニュージーランドワインを扱うところが増えてきました。
普段はなかなか行けなくても、自分へのご褒美に、あるいは何かのお祝いにぜひともちょっとした贅沢気分を味わいながら、ニュージーランドワインと高級中華を一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
今回は、そんな都内高級ホテルの三大中華をご紹介します。
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センス
東京都中央区日本橋室町2-1-1 マンダリンオリエンタル東京37F
TEL:03-3270-8188
http://www.mandarinoriental.co.jp/tokyo/fine-dining/sense/
いわずと知れた高級ホテル、マンダリンオリエンタル東京。その37階という、まさに東京を一望できる中華レストランが「センス」です。
日本で本格的な広東料理を継承する数少ない料理人のひとりとして高い評価を受ける鄧徳勝(とうとくかつ)料理長の手により生み出されるモダンで本格広東料理が存分に楽しめます。
このレストランの入り口には壁一面のワインセラーがあり、ニュージーランドのみならず、世界各国のワインが陳列してあります。さっそくニュージーランドワインをチェックしてみると、決して種類が多いわけではありませんが、そのラインナップには見事なバランス感があり、ニュージーランドワインを好きな人が選んだんだなと、ひと目でわかります。
ロマンティックな雰囲気漂う、夜のダイニングでぜったいに食べておきたい逸品がこちら。
沖縄直送の東星ハタのさっと蒸しです。
沖縄からわざわざ取り寄せる低脂肪高たんぱくの東星ハタを広東料理の代表的な調理法である清蒸(チンチェン)でさっと蒸しあげ、あっさり醤油のフィッシュソースが味の決め手になっています。
まさに、料理長自慢のひと品ですが、こちらの料理には、ニュージーランドで名実ともにナンバーワンのブルゴーニュスタイルのシャルドネ「Kumeu River Chardonnay」がおすすめです。
ヘイフンテラス
東京都千代田区有楽町1-8-1 ザ・ペニンシュラ東京2F
TEL:03-6270-2738
http://tokyo.peninsula.com/ja/fine-dining/hei-fung-terrace-chinese-restaurant
続いてご紹介するのは、ペニンシュラ東京の「ヘイフンテラス」です。
ヘイフンテラスは、中国江蘇省・蘇州の中国古典庭園をイメージした洗練された空間のなかで、日本の四季折々の食材を使用した伝統的な広東料理を堪能できます。
そんなヘイフンテラスでぜったいに食べておきたい逸品がこちら、豚バラ肉の角煮、宝塔仕立てです。
じっくりと煮込んだ豚バラ肉をくずれないように薄くスライスし、それをこのように何段にも重ねあわせていく。まさに、芸術的なひと品です。
また、最初はそのままでいただくのですが、後半は蒸しパンに巻いてくれるという、ちょっとした“味変”サービスが何とも得した気持ちになります。
そんな豚バラ肉の角煮、宝塔仕立てに合わせるワインとして、第1回目のコラムでも紹介した、ルイ・ヴィトンが愛したクラウディベイのピノ・ノワールがおすすめです。
このグラスも、なんだかとてもゴージャスな気分を増長させてくれます。
琥珀宮
東京都千代田区丸の内 1-1-1 パレスホテル東京 5F
TEL:03-5221-7788
http://www.palacehoteltokyo.com/restaurant/amber_palace.php
最後にご紹介するのは、パレスホテル東京の「琥珀宮」です。「パワースポット・ホテル」として有名なパレスホテル。
その中華ダイニングの琥珀宮は、あの麻布十番にお店を構えるミシュランの中華の名店「富麗華」と同じ中国飯店グループのラグジュアリーレストランです。
ちなみにですが、富麗華でもニュージーランドワインが楽しめるので、いずれしっかりとご紹介したいと思います。
この琥珀宮には点心師はもちろん、焼き物師も在籍し、ライブ感とシズル感に溢れるつくり立て・蒸したて・焼きたての絶品中華が堪能できます。
そんな琥珀宮でぜひとも食べておきたい逸品は、名物とまでいわれているこちらの北京ダック。これまで数多くの北京ダックと出逢ってきましたが、琥珀宮の北京ダックは群を抜いていると思います。
しっとりしがちな皮部分は、どんなに時間が経ってもサクサクしていて香ばしい。
そんな北京ダックに合わせるワインは当然赤ワインだと思われるかもしれませんが、実は白ワイン、しかも、ニュージーランドのソーヴィニヨンブランがマッチするのです!
こちらは、「SILENI SAUVINON BLANC」という、いわばニュージーランドのソーヴィニヨンブランの王道ワイン。
「そんなバカな!?」
はい。そんなリアクションを予想しつつも、あえてのご提案です。
ぜひ一度、北京ダックとニュージーランドのソーヴィニヨンブランを合わせてみてください。いかに、ニュージーランドのソーヴィニヨンブランが万能ワインなのかがわかるのではないでしょうか。
今回ご紹介できなかったニュージーランドワインを楽しむことができるレストランは、まだまだあります。
皆さんも、ぜひレストランでワインリストを見るときに、ちょっとだけニュージーランドワインを気にしてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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